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原型師のお仕事とは…

 

私は原型師の仕事をしています。
原型師とはどういう職業なのか、ご存知ですか?
食玩(オマケつきお菓子)、ガチャポン、ゲームセンターの景品など、巷には精巧な造形物が溢れていますよね。


それらは基となった造形物を複製し、量産した商品です。
基となる造形物を『原型』と呼んでおり、原型を造る職人が原型師です。


原型師の仕事は、原型造りだけではありません。
中国の工場で量産する際、塗装の見本となる『彩色見本』の塗装も手掛けます。
彩色見本には、原型をシリコンゴムで型取りし、無発泡ウレタン(通称キャスト)をシリコン型に流し込んで複製したものを用います。
量産ラインで再現できるよう『平易な塗り』を意識しつつ、『本物らしさ』を感じさせる『高い塗装品質』を実現せねばなりません。


今では分業化が進み、彩色見本用の複製作業は、専門会社が担当することが多いのですが、かつては原型師が自ら型取りし、複製品を造っていました。


つまり、造形、塗装、ときには複製をもこなす、それが原型師の仕事なのです。


私が立体物を造り始めたのは、絵画教室に通っていた2歳の頃。
一週間絵を描いたら、次の一週間は粘土をこねて、また次の一週間は絵を描いて…
そんな日々が、中学生のころまで続きました。
美大受験を控えて、粘土をこねることはなくなりましたが、武蔵野美術大学に合格した19歳の春、フィギュアを造り始めました。


初めは趣味で樹脂粘土をこねて一品もののフィギュアを造り、友人らにプレゼントするなどしていました。
大学院在籍時に原型制作会社にアルバイト入社し、仕事として原型制作を開始。
その後、原型制作から離れた時期もありましたが、フリー原型師として活動を再開。
絵を描いたり、原型を造ったり、時間に追われながらも充実した日々を送っています。


現在、原型を造らせていただいている奇譚クラブの商品は、全国で販売されています。
ガチャポンの筐体を見つけたら、是非注目してみてください。
もしかしたら、私が原型を手がけた商品があるかもしれません。

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